ALEXX

4ウェイ5ドライバー、円熟のウィルソン・スピーカーシステム

かつて80年代の初頭、記念すべき超弩級スピーカー”WAMM”に始まり、幾世代もの間ハイエンドオーディオ界を席巻してきた”WATT/Puppy”を経て、ウィルソン・オーディオは、テクノロジーとマテリアルにおける時代の進化を、先駆けて、それぞれのプロジェクトに傾注してきた長い歴史を持っています。いろいろな意味で、新しいウィルソン製品は、累積的な科学技術の成果を的確に取り込むために最適化した最新の入れ物とも言えるでしょう。ドライバーユニットの進化もウィルソンのフィロソフィーを現実のものとする大きな要素です。フラッグシップ機”Alexandria XLF”の開発によってその大いなる可能性が見出された”コンバージェント・シナジー・トゥイーター(CST)”によってウィルソンは、新しい時代を迎えています。
AlexandriaやMAXXという大型フロアスタンディング・スタイルの系譜をより深化させる新進気鋭のスピーカー”ALEXX”の誕生です。”Alexandria XLF”に匹敵する複雑で高度なスピーカーシステムとして、”ALEXX”は、時間領域と幾何学的分野での構造設計、ドライバーの設定、およびドライバー開発に関するウィルソンの最新の成果を搭載し、より正確な高調波表現力、ダイナミック特性など、音楽性に深く関わる全ての能力の進化を促しています。

 [ 全面的に新しい「MTM」ドライバー・ジオメトリー ]

「MTM」(ミッドレンジ – ツィーター – ミッドレンジ)幾何学的形状は、一般的に2つのミッドレンジ・ドライバーが垂直にツイーターを挟んで配置するドライバー構成を言います。この構成は、音のスペクトルに於ける中音域部の充実したダイナミックレンジを実現するほか、いくつかの利点を有します。ウィルソンは、X-1グランドSLAMMに始まりMTMドライバー・ジオメトリーのさまざまなバージョンを採用してきました。そして、ウィルソンのそのMTMの構成は、競合する他の設計よりもはるかに洗練され、複雑でした。フラットバッフルへのMTM構成、3つのドライバー搭載に比べ、ウィルソンは常にモジュラー構成のアプローチを採用しています。これは、1つは、各ドライバーのエンクロージャーの特性を最適化する機能であり、その他、いくつかの利点を持っています。中でも、最も重要なのは、ウィルソンの独自技術の面で、MTM構成での各モジュールは、個別に、時間領域での相対的な位置の調節を可能とすること。そして、更に、各ドライバーの分散特性を最適化する能力を与えることができるのです。
“ALEXX”では、このMTMドライバー・ジオメトリーを更にリファインしています。新たに開発が進行している”新WAMM”と連携して開発された最新技術から引き出されたその構成は、ミッドレンジに、受け持ち帯域を分割した2種類のドライバーを採用。その一つ、7インチ・ドライバーは、”Alexandria XLF”に導入されたもの。5.75インチ・ドライバーは、”Sabrina”の開発から生まれた最新ユニットです。この2つのドライバーによって中域周波数帯はより広いカバー力と実在感溢れる音を獲得します。
2つのドライバーそれぞれのハウジングは、wilson_alexx-cove-desert-silver-no-grill-21的確に最適化され、シームレスかつコヒーレントなブレンド動作を約束されます。スピード、明瞭感、そして重量感など、音のリアリティーに最も重要な中域の完全なる表現力を”ALEXX”は実現しています。

[ 新ウーファー・デザイン ]

“ALEXX”に組み込まれた全く新しい10.5インチと12.5インチのウーファーは、現在進行中の”新WAMM”プロジェクトのために開発された技術を共有しています。これら2つの新ウーファーのための技術は、”ALEXIA”に於ける8インチ/10インチ・コンビネーションからの強力な進化を意味します。”ALEXX”の新しい10.5インチ/12.5インチ・コンビネーションは、正確な低域音楽再生を満たすウィルソン最新のフィロソフィーによって組み上げられ、より高精度な時間領域統合のための傾斜したバッフルに取り付けられています。もちろんウーファー・エンクロージャーにはXマテリアルを登用。その超低共振性とも相まって、スピード感溢れる重低域のリアルな諧調表現力をもたらしています。wilson_alexx_rear-details-11-edit

[ 時間領域でのアッパーモジュールの調整機能 ]

MTMドライバー・ジオメトリーで構成された“ALEXX”の三つのアッパーモジュールは、これも”Alexandria XLF”で確立された非球面配列構成をとっています。それぞれのモジュールは角度と前後距離を細かく可変して、リスニングポジションに於ける伝搬遅延特性の最適補正を行なうことがを可能としています。

[ XLF(クロスロードフロー)ポートシステム ]

“ALEXX”の低域エンクロージャーには、”Alexandria XLF”技術の一つXLF(クロスロードフロー)ポートシステムが使われています。バスレフ・ポートの開口部をユーザーがスピーカーの前面または背面のいずれかに設定することができ、部屋に応じた低域パフォーマンスを最適化することが可能です。ウーファー下部の、ALEXXロゴを刻印したつや消しアルミニウムプレートがそれで、その位置を前面あるいは後面に入れ替えることでポートを後ろ向きにするか前向きにするかに変えられます。低域が痩せてしまう部屋の条件ではポートを後ろ向きにし、低域がブーミーな部屋では前向きに位置させるといった調整によって、あらゆる条件下での最適音響特性を得ることを実現しています。

[ “コンバージェント・シナジー・トゥイーター”のカスタムバージョンを搭載 ]

”Alexandria XLF”の開発でその新技術が確立されたシルクドーム型”コンバージェント・シナジー・トゥイーター”(“CST”)のカスタマイズ・バージョン・ユニットを搭載。ミッドレンジ・ドライバーとのスムーズな繋がりを確保するために不可欠なクロスオーバー・ポイント1.2 kHz付近までの下限周波数特性の伸びと、30kHz以上にも及ぶ超高域をカバーする優れたドライバーです。

徹底的に時間領域でのコヒーレント精度を追求した有機的な音響特性による圧倒的な実在感を再現するウィルソンの設計思想の最も進化した姿が”ALEXX”に具現化されています。

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[ Specifications ]

●トゥイーター: 1 inch シルクドーム, Xマテリアルによる密閉型エンクロージャー
●ミッドレンジ: 5.75 inch ペーパーパルプ, Xマテリアル・リアベント・エンクロージャーwith Sマテリアルバッフル
7 inch セルロース/ペーパーパルプ・コンポジット, Xマテリアル・ボトムベント・エンクロージャーwith Sマテリアルバッフル
●ウーファー: 10.5 inch & 12.5 inch ハードペーパーパルプ, Xマテリアル・フロントポートorリアポート・エンクロージャー
●感度: 91 dB @ 1W/1m @ 1 kHz
●公称インピーダンス: 4Ω (最低: 1.5Ω@ 2,850 Hz)
●周波数特性: +/- 3 dB 20 Hz - 31 kHz
●推奨アンプ最小出力: 50 W/channel
●外形寸法(cm): 40.01W×158.23H wo/スパイク×68.01D
●重量: 205.02kg(1台)
※カラーバリエーション: スタンダードカラー5種の他, アップグレードカラー11種

ALEXX

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