SELECT DAC
D/Aコンバーター
MSBテクノロジー
DSD256x,PCM384kHz D/A コンバーター
SELECT DAC
MSBテクノロジー社のフラッグシップモデルSELECT DACは、幾世代にもわたって深化を遂げてきた独自のディスクリート・サインマグニチュード・ラダーDAC方式、超低ジッターFEMTOクロック機構、優れたヒートシンキング構造など、これまでMSBが培ってきた優れたフィーチャーを現代最高峰のレベルに押し上げます。核となるDAC心臓部には、これまでのMSB VシリーズのトップモデルDiamond DACを格段に上回る新開発のHybrid DACモジュールを8基搭載。L/R総計16チャンネルともなるパラレル構成のDACを、一切オペアンプ使用しないディスクリート仕立てとし、高スルーレートの極めて高い電圧/電流駆動能力を実現。その実力はハイエンドプリアンプをも完全に凌駕し、パワーアンプダイレクト・ユースをかつてないクォリティーで現実のものとします。勿論、サンプリングレートは、現在最高峰のフォーマットとされる11.2MHz(256倍)までのDSDと384kHz/32bitまでのPCMに完全対応。その圧倒的レゾルーションと高S/N、高音質は、まさにD/Aコンバーターの極致と言えるでしょう。
※写真のスパイクは非標準品。現在はViton Footに変更されています。(@2021.06-)
Viton Foot (Silver/Black)
[ アーキテクチャー ]
SELECT DACの筐体は、本体/電源ともに、分厚いアルミブロックを丹念に削り出したモノコック仕様。そしてそのメカニカル・アーキテクチャーは、必要なファンクションをカスタマイズすることができるフレキシビリティーを持つモジュラー方式によって構成されています。
入力モジュールは、同軸/光、AES/EBU、MSB 独自のインターフェースPRO I2SやPRO ISL、MQA対応のQUAD USB、そして、レンダラーなどの多彩なデジタル系から4系統を自在にカスタマイズすることが可能です(同軸/光かAES/EBUのいずれか 1系統は標準装備)。
ボリュームコントロール機能を有するバランス仕様アナログ出力モジュール(アナログ入力を併備)は標準装備としています。
また、超低ジッターFemtoクロックは、標準として世界最高峰のジッターレベルを誇る
Femto 33 Clock(ジッター性能33フェムト・クロック)を搭載しています。
電源ユニット(パワーベース)は本体とは別筐体となっています。
2x Select Powerbases: 2台で本体のデジタル系/アナログ系それぞれに
独立してDC電源供給します。
[ 究極のマルチビットDAC ]
MSBはD/A変換の理想的なスタイルとして徹底的にラダー型マルチビット方式に拘り続けています。それは、量子化されたデジタルオーディオ信号の各レベルに対してストレートにアナログ変換セグメントを呼応させるため、⊿∑変調やノイズシェービングなど余分な信号処理を必要としない最も根源的で的確なDAC方式であるためです。しかもSELECT DAC には、その最進化形である、ディスクリート・サインマグニチュード方式をベースとした最新の2チャンネルHybrid DACモジュールを8基搭載。マルチビットで発生しやすい全ビット列の1と0が反転する際のゼロクロス歪みを根源的に回避すると同時にDiamond DAC V をさらに4bitも上回る分解能、マルチビットにおける究極とも言える「真」の28.5bitレゾルーションを達成。-90dB入力信号に対してのS/N+Distortionレベルは実に83.44dBを達成。これは、ダイナミックレンジ換算で173dBという驚異的な値となります。
また、その出力は、一般的なマルチビットDACが電流出力をI/V変換し、DCコレクション回路とアナログフィルターなどの補償回路を経由して出力するのに対して、ディスクリート・ロジック/抵抗素子をDACモジュール内に搭載することで補償回路なしでダイレクトに電圧出力。実に1,000V/μsecを上回るハイ・スルーレート、最大7V rmsという高純度ハイパワー能力を実現しています。
[ 超高速DSP信号処理 ]
・デジタル信号処理は、超高速DSPによってMSB独自の音質に優れた32倍80bit演算のアドバンスド・オーバーサンプリング・FIRデジタルフィルターリングが行なわれます。
・リ・クロッキング機能: MSBの”PRO ISL”インターフェースを使用すれば、DACからトランスポートにマスタークロックを供給し、それに同期してD/A変換を行なうためきわめて精確で低ジッターとなりますが、それ以外の場合にも同じように精度を高く保つため、入力信号にはリ・クロッキングをかけることが可能です。リ・クロッキングとは、入力データを一度バッファーし、データのみをDACの高精度マスタークロックに同期処理する方法です。これによって、DACの低ジッター性能が最大限に生かせます。
※リ・クロッキングはON/OFF可能。バッファーはFIFOメモリー回路のため約0.5秒の遅延が生じます。音楽ソースでは問題にはなりませんが、映画などでリップシンク調整が執り切れない場合には、この機能をVIDEOモードとすることでOFFにできます。
[ 赤外線レーザー MSB “PRO ISL” インターフェースによる超高速・超低ジッターデジタル伝送 ]
SELECT DACに、双方向レーザー・インターフェース“PRO ISL”オプションモジュールを装着すると、最新のMSBトランスポートからの完璧なデジタル信号搬送が可能となります。
MSB “PRO ISL”は、従来の“PRO I2S”方式と同様にDAC側からトランスポートに対して超低ジッターのマスタークロックを送って完全同期させた上で、L/Rデータとワードクロック、ビットクロックを分離したシリアルバス・データをDACに送り返します。そして、この”PRO ISL”では、
その信号授受に従来のLAN方式よりも格段にスピードを増した「双方向赤外線レーザー」方式を新導入。光ケーブルにはシングルモード・デュプレックス・グラスファイバーを採用し、1Gbpsと言う膨大なデジタルデータを、例え1km先に送ったとしてもそのレベルロスは僅か0.3dB以下という超大容量/低損失の超高速通信を、そして、相互の完璧な電気的アイソレーションを行ないます。ハイビット/ハイサンプルレートのデジタル信号を超低ジッターでビットパーフェクトに伝送する、まさに究極のデジタルオーディオインターフェースです。
[ 最大許容デジタル入力レート ]
・PCM: 44.1, 48, 88.2, 96, 176.4, 192, 352.8, 384 (kHz) (@全入力、各24ビットまで※PROI2Sは32ビットまで)
・DSD: 64x(@全入力 ※但しRenderer,USB以外はMSB UMTとの接続時), 64x&128x (Renderer入力 / DoP&ASIO@USB2&QUAD USB2 入力 ), 256x (Renderer入力 / ASIO@QUAD USB2 入力 )
[ 超低ジッター・クロック ]
そして、これらを制御するマスタークロックには、あらゆるDACクロックの常識を決定的に上回る、極限の精度単位FEMTO sec.(フェムト秒)にまでジッター値を極小化したMSB独自のモジュールを採用。
これまで、DACクロックのジッター値はpico sec. (ピコ秒)の単位で取り沙汰されていたのに対し、その1,000分の1、絶対値では10の-15乗(1,000兆分の1)というFEMTO sec.(フェムト秒)の単位にまでジッターを減少させることに成功したのです。
ジッターとは、クロック信号を短い数個単位で見た時の時間軸上での微細なタイミングの揺らぎです。右はその概念図です。クロックが僅かでも揺らぐと、D/A変換の時々のタイミングは微妙に変化し、その結果、復調したアナログ信号には非高調波歪みが加えられます。その歪みは、周波数が高くなるほど、また信号レベルが小さいほど顕著に現れます。非高調波歪みは例えそれがごく僅かであったとしても自然界には存在しないため、アナログ音楽信号のハーモニクスと音場情報を不自然に歪めてしまい、場合によってはデジタル特有の「ハーシュ」な響きを生み、聴感上の不快感を煽ります。
一方、クロック周波数精度とジッター値とは別物であることも理解しなくてはなりません。精度の優秀さをいくらppm単位で誇ってもジッター値が良くなければ正確なD/A変換は望めないのです。また、クロック単体としての精度が幾ら良くてもDACとの物理的距離が長くなれば、その伝送路でジッターは悪化します。
MSBは、同一筐体内のDACに対する最短距離となる位置に高精度低ジッターのマスタークロックを配置することで本来のその性能を遺憾なく発揮させています。
右図は一般的に高精度とされる水晶発振子とTCXO、MSBの Galaxy FEMTO 77 Clock、とFEMTO 33 Clockという四通りのクロックの比較グラフです。ジッター量は、クロックの中心発振周波数に対して付随的に側帯域に発生する位相ノイズの大きさに比例します。図が示す通り、MSB FEMTOクロックの圧倒的優位性がお分かりいただけることでしょう。
MSBのマスタークロックはモジュール化されています。
標準仕様として、超低ジッター値33 FEMTO sec.(0.033 Pico sec.)を実現する最高峰の< FEMTO 33 Clock > が搭載されています。
[ POWER SUPPLY ]
電源ユニット(パワーベース)は本体とは別筐体となっています。
2x Select Powerbases: 2台で本体のデジタル系/アナログ系それぞれに独立してDC電源供給します。
整流・定電圧回路は、もちろんアナログ・リニア構成とし、整流素子には超高速シリコン・カーバイド・ショットキー・ダイオードを採用。真空管動作に近いこの素子は、高効率で大電流を安定して取り出せると同時に、ターンオン/オフの瞬時性に優れ、一般の整流素子につきもののオフ時のリカバリー逆電流の発生とそれに起因するノイズを大幅に低減させています。
個々に電磁シールドが施された6個のトロイダルトランスを搭載し、アナログ回路用にプラスとマイナス、デジタル回路とクロック回路専用に独立させた極めて精緻で超低ノイズを実現するパワーサプライです。
勿論SELECT DAC本体側には、セパレート電源とは別に各回路に対するローカルレギュレーターが装備され更に低ノイズ化と安定性を獲得しています。
[ Specifications ]
デジタル入力: 4系統(A~D)のスロットに同軸/光、AES/EBU、PRO I2S(2系統)、Pro ISL 光デジタル入力、Quad DSD&MQA USB、レンダラー入力などのデジタルを装備可能
許容デジタル入力:
Toslink, Coax, AES/EBU: 24/192kHz, 1xDSD(DoP)
Quad DSD&MQA USB: 24/384kHz, 2xDSD(DoP), 4xDSD(Native)
Network Renderer V2: 32/768kHz, 2xDSD(DoP), 4xDSD(Native)
PRO USB(外付)+PRO ISL: 24/768kHz and 4xDSD(DoP), 8xDSD(Native)
※MAC OSXではDSDはDoPのみ、Nativeは出力できません。
アナログ入力: XLRバランスL/R、入力インピーダンス; 100kΩ、最大許容入力レベル; 12V rms
最大アナログ出力レベル: 3.57V rms (対デジタル入力)、12V rms (対アナログ入力)
出力インピーダンス: 75Ω
ボリュームコントロール: 0~106 (ステップ:1dB)
アナログXLR出力極性: Pin 1 = Ground, Pin 2 = Hot, Pin 3 = cold
電源: 100V AC, 50/60Hz
消費電力: 70W, 1W以下(スタンバイ時)
外形寸法/重量: 本体,電源各444W x 92H x 444D (mm) / 本体16kg,電源21kg
付属: DC電源コード2本/ AC電源コード2本 / 12 x Viton Foot(M6 ネジサイズ) / グランドワイヤー / リモコン / Micro-USBパワーチャージケーブル
※仕様は予告なく変更される場合があります。