Diamond DAC V

Diamond DAC V

D/Aコンバーター

MSBテクノロジー
リファレンスD/Aコンバーター Diamond DAC V

 

MSBテクノロジーは、デジタルオーディオの黎明期90年代初頭の早くから、一味違うマニアライクなCDプレーヤーやDACを手掛けて以来、常に時代を先取りする製品開発を進めてきました。98年には24 bit 96k対応DACを世界に先駆けてリリース、2000年代後半には、USBを含むすべての入力で384kHz対応を果たすディスクリート・サインマグニチュード・マルチビットDACを製品化するなど、デジタルオーディオの可能性をさらに拡げるための最先端技術への飽くなき挑戦が続けられ、2013年までには第四世代のDAC IVシリーズを送り出します。そして今それは、Vシリーズへと更なる発展を遂げました。
そのVシリーズのトップモデルDiamond DAC Vは、幾世代にもわたって深化を遂げてきた独自のディスクリート・サインマグニチュードDAC方式、超低ジッターFemtoクロック機構、優れたヒートシンキング構造など、これまでのIVシリーズの優れたフィーチャーに加え、DSPコーディングとボリュームコントロールテクノロジーの刷新と新たなヘビーデューティー・パワーリンクの搭載によるクロック系からのより強固なアイソレーションなど、MSBテクノロジーの技術的研鑽の最新成果を全面的に反映。ディスクリート・サインマグニチュード方式による真の27ビットDACの圧倒的レゾルーションによる高S/N、高音質を極限にまで高めたリファレンスD/Aコンバーターです。

Diamond DAC Vのメカニカル・アーキテクチャーは、必要なファンクションをカスタマイズすることができるフレキシビリティーを持つモジュラー方式によって構成されています。入力には、同軸、光、AES/EBUの既成フォーマットに加えMSB独自のインターフェースPRO I2S、さらに11.2MHzDSDにまで対応するUSB2オプションなど、多彩なデジタルと、XLR端子によるアナログを装備。また、ボリュームコントロール・オプションの装着でプリアンプ機能を持たせたデジタル/アナログ両対応のコントロールセンターとすることが可能です。

MSB_DACV-front-black

[ 究極のマルチビットDAC ]

MSBはD/A変換の理想的なスタイルとして徹底的にラダー型マルチビット方式に拘り続けています。それは、量子化されたデジタルオーディオ信号の各レベルに対してストレートにアナログ変換セグメントを呼応させるため、⊿∑変調やノイズシェービングなど余分な信号処理を必要としない最も根源的で的確なDAC方式であるためです。しかもDiamond DAC V には、その最進化形である、ディスクリート・サインマグニチュード26bit ディスクリートDACモジュールを片チャンネル当たり2個(25bitDACx2を1モジュールとした26bitDACx2)、計4個を搭載。マルチビットで発生しやすい全ビット列の1と0が反転する際のゼロクロス歪みを根源的に回避すると同時に姉妹機Signature DAC V の倍に相当する分解能、マルチビットにおける究極とも言える「真」の27bitレゾルーションを達成しています。MSB_DAC-V-Dia_DACmodule
また、その出力は、一般的なマルチビットDACが電流出力をI/V変換し、DCコレクション回路とアナログフィルターなどの補償回路を経由して出力するのに対して、ディスクリート・ロジック/抵抗素子をDACモジュール内に搭載することで補償回路なしでダイレクトに電圧出力します。24bit音楽信号のダイナミックレンジを完全にカバーして余りある160dBのS/Nと、実に1,000V/μsecを上回るハイ・スルーレートによる高純度のハイパワー能力を実現しています。

[ 超高速DSP信号処理 ]

・デジタル信号処理には、超高速80bit演算能力のSharc DSPを二基配備しています。このDSPによって入力デジタル信号は384kHz32bitのアップサンプリング処理と、MSB独自の音質に優れたシングルステージ構成による32倍アドバンスド・オーバーサンプリング・デジタルフィルターリングが行なわれます。MSB_DAC-DSP
※アップサンプリング機能はON/OFF可能。アップサンプリングは、オリジナルサンプルポイントを正確に保持する整数倍同期方式。44.1, 88.2, 176.4 は352.8 kHz/32 bitsに、48, 96, 192は384 kHz /32 bitsにそれぞれアップサンプリングされます。

・リ・クロッキング機能: MSBのPRO I2Sインターフェースを使用すれば、DACからトランスポートにマスタークロックを供給し、それに同期してD/A変換を行なうため極めて精確で低ジッターとなりますが、それ以外の場合にも同じように精度を高く保つため、入力信号にはリ・クロッキングをかけることが可能です。リ・クロッキングとは、入力データを一度バッファーし、データのみをDACの高精度マスタークロックに同期処理する方法です。これによって、DACの低ジッター性能が最大限に生かせます。
※リ・クロッキングはON/OFF可能。バッファーはFIFOメモリー回路のため約0.5秒の遅延が生じます。音楽ソースでは問題にはなりませんが、映画などでリップシンク調整が執り切れない場合には、この機能をOFFにできます。

[ 超低ジッター・クロック ]MSB_TiberiumCry_BlackBackImg_wh

そして、これらを制御するマスタークロックには、あらゆるDACクロックの常識を決定的に上回る、極限の精度単位Femto sec.(フェムト秒)にまでジッター値を極小化したMSB独自のモジュールを採用。
これまで、DACクロックのジッター値はpico sec. (ピコ秒)の単位で取り沙汰されていたのに対し、その1,000分の1、絶対値では10の-15乗(1,000兆分の1)というFemto sec.(フェムト秒)の単位にまでジッターを減少させることに成功したのです。MSB_DAC-V_Clock_closeup
ジッターとは、クロック信号の微細な揺らぎ、つまり時間軸での不安程度を示す時間量です。クロックが僅かでも揺れると、それはD/A変換の時々のタイミングを微妙に変化させるため、復調されるアナログ信号に非高調波歪みを加えるという直接的な影響を与えます。その歪みは、周波数が高くなるほど、また信号レベルが小さいほど顕著に現れます。それがごく僅かであったとしても非高調波歪みは自然界には存在しないため、アナログ音楽信号のハーモニクスと音場情報を不自然にゆがめます。場合によってはデジタル特有の「ハーシュ」な響きで不快感を煽ります。

一方、クロック周波数精度とジッター値とは別物であることも理解しなくてはなりません。精度の優秀さをいくらppm単位で誇ってもジッター値が良くなければ正確なD/A変換は望めないのです。また、クロック単体としての精度が幾ら良くてもDACとの物理的距離が長くなれば、その伝送路でジッターは悪化します。
MSBは、同一筐体内のDACに対する最短距離となる位置に高精度低ジッターのマスタークロックを配置することで本来のその性能を遺憾なく発揮させています。

マスタークロックはモジュール化され、標準装備されたFemto 140に替えて
更に高精度のGalaxy ClockやFemto 33にオプション装着が可能です。

< Femto 140 Clock > ※標準装備MSB_Clock_Femto140
Diamond DAC Vに標準搭載されているのは、< Femto140 Clock >。そのジッター値は実に140 Femto sec.(0.140 Pico sec.)を誇ります。

< Femtosecond Galaxy Clock > or < Femto 33 Clock > ※オプションMSB_Clock_Galaxy
また、この標準搭載のクロックは、さらに低ジッター値77 Femto sec.(0.077 Pico sec.)を実現する < Femtosecond Galaxy Clock >、または最高峰の低ジッター値33 Femto sec.(0.033 Pico sec.)を実現する < Femto 33 Clock > のアップグレード搭載も可能としています。

[ 部品/コンストラクション ]

・高信頼性基板の採用: Diamond DAC V に使用されているサーキットボードには、低誘電の特殊なコーティング処理がなされています。湿度や荷電による回路への悪影響をシャットアウトし、振動からも防御する高耐久性ボードです。
・高精度抵抗体: 回路全般に、振動の影響を極めて受けにくい抗マイクロフォニック性の航空宇宙機器に使用される1%精度プレシジョン抵抗を使用。安定性に富み高いS/Nを実現しています。
・巧妙なシールド対策: 回路のS/Nが良くなればなるほど環境からの磁気や温度の影響に敏感になります。Diamond DAC V に搭載されたDACモジュール4個のハウジングにはスチールの100倍の防滋能力を持つニッケルアロイを採用。また、そのニッケルアロイは、クロックやパワーサプライなど主要回路にも配備。一台一台の僅かな違いに呼応して最も効果的な場所と素材のサイズをカスタマイズするという入念さで、電磁ノイズの影響を10~15dBも改善しています。
・ヒートパイプによる温度対策: DACモジュールにはヒートパイプが取り付けられ、ヒートシンクに結合。DACの心臓部を常に一定の温度に保つサーマル・マネージメント機能が効果的に働き、動作の安定性を高めています。MSB_DAC-V_Dia_OpenTopDiagram

[ デジタルインプット ]MSB_DAC-V_QuadUSBMSB_DAC-V_Sig_USB2

・標準装備; BNC,RCA,Toslink,AES/EBU,MSB PRO I2S
・オプション装備; USB2(Signature 384)またはUSB2(Quad DSD)

※MSB独自の高精度PRO I2Sインターフェースとは:
PRO I2Sを装備したMSBトランスポートとMSB DAC間をCAT6LANケーブルで接続。トランスポートからDACにデータ信号とビットクロック、ワードクロックをシリアルバス・データで送り、DACからは高精度マスタークロックを送ってトランスポートを完全同期させる超低ジッター方式です。また、相互のグランドをフローティングし、ノイズの影響をシャットアウトしています。MSB_Pro-I2S-diagram

[ 最大許容デジタル入力レート ]

・PCM: 44.1, 48, 88.2, 96, 176.4, 192, 352.8, 384 (kHz) [全デジタル入力/24ビット,PRO I2S/32ビット]
・DSD: 2.8MHz(64x), 5.6MHz(128x) [全デジタル入力MSB UMT接続時/USB2はDoP及びASIO Native],
11.2MHz(256x) [USB2 Quad DSDのみASIO Native]

[ アナログインプット ]

XLR端子によるバランス・アナログ入力を装備。スループットしプリアンプに送ることができます。
また、オプションのボリュームコントロール・プリ機能を搭載すれば、DAC出力のみならずアナログ入力に対してもボリュームコントロールが機能し、外部プリアンプなしでショートシグナルパスの高音質コントロールセンター(プリアンプ)としてご使用になれます。MSB_DAC-V-Back-ViewMSB_DAC-V-front-white_close

[ ボリュームコントロール・プリ機能 ] ※オプション装備

パッシブアッテネーターとシングルOP-AMP構成による極めてシンプルなボリューム調整機構を搭載可能です。一般的なプリアンプを経由するよりも最短の信号処理によってボリューム調整が可能となりますので、音楽信号のクォリティーを最大限に保ち、ダイレクトにパワーアンプへ送ることができます。ボリューム調整範囲は、+9dB~-69dB。ステップ゛はメニュー設定によって1dB, 0.5dB, 0.25dBの切替が可能です。また、0dB位置では完全にこの回路をバイパスすることができます。

[ POWER SUPPLY – Diamond Power Base V ]

Diamond DAC V 本体と同サイズで、スタックしてバランスよく配置することのできる専用セパレート電源です。整流・定電圧回路は、もちろんアナログ・リニア構成とし、整流素子には超高速シリコン・カーバイド・ショットキー・ダイオードを採用。真空管動作に近いこの素子は、高効率で大電流を安定して取り出せると同時に、ターンオン/オフの瞬時性に優れ、一般の整流素子につきもののオフ時のリカバリー逆電流の発生とそれに起因するノイズを大幅に低減させています。MSB_Power-Base-V-white_

個々に電磁シールドが施された6個のトロイダルトランスを搭載し、アナログ回路用にプラスとマイナス、MSB_PowerBase-Dia_Rectデジタル回路とクロック回路専用に独立させた極めて精緻で超低ノイズを実現するパワーサプライです。

また、DAC用とは別にトランスポート駆動用として12VDC出力も装備し、DACとトランスポート双方に電源供給を行なうことが可能です。
Diamond DACV本体には、セパレート電源とは別に各回路に対しローカMSB_PowerBase-Dia_transルレギュレーターが装備され更に低ノイズ化と安定性を獲得しています。

 

 

 

 

 

 

MSB_DAC-V-front-white_

MSB-Remote_

[ Specifications ]

●入力:
標準装備; BNC,RCA,Toslink,AES/EBU,MSB PRO I2S各デジタル及びアナログ[XLR 600 ohms]
オプション装備; USB2(Signature 384)またはUSB2(Quad DSD)
●許容デジタル入力:
[PCM] 44.1, 48, 88.2, 96, 176.4, 192, 352.8, 384 (kHz) [全デジタル入力/24ビット,PRO I2S/32ビット]
[DSD] 2.8MHz(64x), 5.6MHz(128x) [全デジタル入力MSB UMT接続時/USB2 SignatureはDoP、USB2 QuadはDoP及びASIO Native]
11.2MHz(256x) [USB2 Quad DSDのみASIO Native]
●アナログ出力レベル: 3.6V rms (RCA), 7.5V rms (XLR) ※0dBポジション
●出力インピーダンス: 50Ω
●ボリュームコントロール(※オプション装備): +9dB~-69dB (ステップ:1dB/0.5dB/0.25dBの三通りに切替可能)
●アナログXLR出力極性: Pin 1 = Ground, Pin 2 = Hot, Pin 3 = cold
●スルーレート: >1000V/μs
●セットリングタイム: <90ns
●コントロールフィーチャー: リモート, ディスプレー照度, 位相反転, 384 kHzアップサンプリング, ボリュームレベル制限, 入力セレクション, フィルター選択, ビットパーフェクトテスト
●電源: 100V AC, 50/60Hz
●消費電力: 60W
●外形寸法: 本体/電源各: 441W x 60H x 325D (mm)
●重量: 本体; 7.5kg , 電源; 9kg
●付属: MSBアルミリモコン
●外装カラーフィニッシュ: Matte BlackまたはMatte White。他にカスタムカラーの特注も可。

※仕様は予告なく変更される場合があります。

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