FM266MkII

FM266MkII

プリアンプ

その極められた高音質を評価され 15年にも及ぶロングランを誇ってきた「FM266」が、遂に「FM266MkII」となってその音にさらに磨きをかけます。「FM268」以外並ぶもののなかった「FM266」の性能と音質は、回路 /コンストラクションのいくつかのマイナーチェンジとブラッシュアップによって、より一層の強化が図られています。真に完全な対称性をもつバランス入力回路、そしてスーパー・カップルド・バランス出力回路を備えたレゾリューションシリーズ 「FM266MkII」の CMRR(コモンモード・リダクション・レシオ)は、いわゆる“バランス”を自称する他のプリアンプリファイアーの40~60dB、つまり100倍~1000倍にあたる100dBを達成し、極めて精度の高いバランス信号伝送を可能としています。

 

■主な特長

● 真のバランスプリアンプリファイアー
● アンバランス、擬似バランスのソース入力も、入力ステージで自動的にバランス整合
ユニークな真の完全バランス出力回路が、バランス、アンバランスのいかなるパワーアンプに対しても自動的にパフォーマンスを整合
● +21dBvというきわめてゆとりあるヘッドルームによる安定した入力キャパビリティ
● 特製カーブトレーサーによる分析とリスニングテストによって、選別された半導体素子で構成する完全ディスクリート回路
● 独自の強化クラスA回路
● 100dBのCMRR(コモンモード・リジェクションレシオ;いわゆる“バランス”機器の100~1000倍に相当)
● 全再生帯域にわたって完全にリニアな入力・出力インピーダンス
● ゼロ・オーバーオール・フィードバック/フィードフォーワード
● いかなる負荷、長いケーブルをもドライブできる出力が完全な再現能と安定性を約束
● エレクトロニクスとケーブルのマッチングに関する悩みには無縁
● ノイズと干渉が極めて低い連続可変プレシジョン・出力レベル /バランスコントロール
● トランスには浮遊磁界を防止する特製デュアル・シールドを採用
● 低インピーダンスできわめて安定した内蔵電源
● ハンド・セレクション、ハンド・マッチングを徹底したDIN、IEC、MIL規格パーツ
● いつまでも最新であり続ける完全モジュラー設計
● 完全バランス・ラインレベル入力 6系統、完全バランスディスクリート・クラスAの独立バッファーをもつテープ /AUX入出力

 

■「FM266MkII」の新フィーチャー

 

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● そしてさらに、より改善されたチャンネル間クロストーク
● 減電により強くなった強力なパワーサプライなど一層のパフォーマンス向上が図られています。

 

■特長

● 「FM266MkII」は、独自の入力段の巧みな活用によって、全再生帯域にわたって CMRR 100dBという驚異的な高い数字を達成しています。「FM266MkII」は、オペアンプやICを使用することなく、独自の精密な調整を施した完全ディスクリート構成強化クラスA回路によってこれだけ高いCMRR値を実現しており、他に類を見ない性能を獲得しています。

バランス動作の精度を表わす技術用語の一つに“CMRR”、すなわちコモンモード・リジェクション・レシオがあります。この値は、両信号径路へシンメトリカルに混入するハム、ノイズなどの信号の排除能力を示します。両径路に侵入した干渉信号がどれだけ強力に減衰されるかが、これでわかります。この値が大きければ大きいほど、優秀なバランス回路であるということになります。既存のいわゆる“バランス”回路のCMRR値は、30~60dB程度とがっかりするぐらい低く、これでは実際“バランス”だの“シンメトリカル”だの“フローティング”といった用語にふさわしい数値とは言えません。この程度のCMRRでは、信号径路と回路がバランス構成になっているとは言えませんから、当然受け入れがたい数値になります。少なくとも80~90dBは必要でしょう。

※“バランス”と呼ばれているプリアンプリファイアーでも、単なるオペアンプもしくはオペアンプ・スタイルの入力回路を使用した構成では、非反転信号と反転信号の径路が同一のエレクトロニクスになりません。それぞれの信号径路がまったく異なる動作をするわけですから、これは“バランス”とは言えないことになります。バランス回路とは、グランド、シールドに対して完全にシンメトリカルでなければならないからです。真のバランス設計には、2つの信号径路があるという以上の周到な配慮が必要なのです。いわゆる“バランス”出力回路とは、反転ステージ、すなわち出力信号を180°反転させて、第二の信号径路へ送る回路が追加されたもの。2本の芯線とシールドが信号の伝送に使用されているため、ユーザーは、バランス伝送が行なわれていると信じてしまいがちですが、これは違います。より単純なバランス回路を見つけるのは、そう難しいことではありません。その試験方法の一つに次のようなものがあります。アンバランス回路の出力インピーダンスが、バランス回路のそれより低い場合、その回路は単純な位相反転回路でしかない可能性が考えられます。出力インピーダンスの数値が“バランス:600Ω、アンバランス300Ω”といった表示になっていれば、その製品はアンバランス回路の出力に単純な180°位相反転回路を設けたものでしかないはずです。これは、高性能でシンメトリカルな“バランス”回路とはほど遠いものであり、真のバランス回路と同等の性能を発揮することはできません。真のバランス・ステージの性能を達成するには、単純な位相反転回路が提供できるものよりはるかに複雑な設計が必要なのです。

もちろん、バランス回路には、CMRR以外にさまざまなアスペクトがあり、たとえば接続ケーブルの質もきわめて大きな役割を持っています。今日の“バランス”ケーブルの中で、真のバランス構成と言える製品はごく少数にすぎず、ほとんどのケーブルはCMRRを30~60dBに悪化させてしまいます。また、ある帯域においてメガヘルツ領域に至るほどの高効率なシールディングが行なえるかどうかも、重要なアスペクトの一つです。
プレシジョン・インターフェース・テクノロジー社のケーブル・テクノロジー、そしてFM ACOUSTICSのエレクトロニクス。その二つの英知が融合して、信号伝送チェーン全体をかつてなかった次元へと最適化します。プレシジョン・インターフェース・テクノロジーの接続ケーブルは、アンバランス、擬似バランス、そして完全バランスなど、あらゆる方式の組み合わせにおいて完璧なインターフェース性能を発揮します。

● ノン・シンメトリカル信号の入力も、入力ステージで自動的にバランスを整えられます。

● すべての入力インピーダンスは、全周波数帯域にわたって完全にリニアです。これは、バランス・ソース、アンバランス・ソースいずれの場合も同じです。

● 「FM266MkII」は、高容量負荷も含めたあらゆる負荷を、完璧な再現能と安定性をもってドライブすることができます。高級ケーブル1000mに相当する 100nFの容量においても、いっさい問題は生じません。

● 完全バランスのスーパーカップリング出力は、バランス負荷、アンバランス負荷間の差を自動的に補償するセンサー回路を備えており相互のインターフェースが 100%適正化されます。インターフェースを適正化するために結線しなおしたり、ハンダ付けしたりする必要はありません。FM ACOUSTICSならではの優れた特長の一つでしょう。

●出力は、最大+28dBV(19.5Vrms)という優れたドライブ能力を備えています。高い信号レベルの送り出しによって、システム全体のSN比を大幅に向上させます。

●「FM266MkII」はいかなるタイプの入力・出力回路に対しても、最適に機能します。 「FM266MkII」の3つのバランス入力には、内部のアッテネーター切替によって高い出力レベルをもったソース機器(CD・DVDプレーヤーなど)に応じて、入力感度を 10dB下げる機能を設けています。これによって、ボリューム位置の適正化が可能です。

●全出力は、完全にショートから保護されています。

●ヘッドルームと出力キャパビリティには大きな余裕があり、プロ機器、セミプロ機器にも完璧に対応することができます。

●「FM266MkII」では、オーバーオール・フィードバック/フィードフォーワードをいっさい使用しておりません。本機は、FM ACOUSTICSの開発した完全バランス強化クラスA回路を全面的に使用しており、完璧な安定性と純度高い信号処理を行うことができます。

● 特別設計のバイアス回路により、「FM266MkII」では長時間のウォーミングアップも必要なく、きわめて迅速に動作温度に達する上に、ウォーミングアップ後に歪みの形状が変わったり音色が変わってしまうようなことがありません。

●位相反転段などの付加的な回路を使用することなく+側・−側の出力信号径路を入れ替えるフロントパネルの位相反転スイッチにより、メイン出力の位相を正確に180°反転させることができます。(バランス入力コネクターのピン配列は、#1グランド、#2コールド、#3ホットの標準仕様になっておりますが、この高精度スイッチにより、#1グランド、#2ホット、#3コールドの構成に変更することができます。)

●テープモニター:テープモニター機能を備えた多くのプリアンプは、パッシブ・スイッチングのみの構成になっていますが、カセットデッキ、テープレコーダーその他テープモニター・ループを使用する機器の入力・出力インピーダンスや入力・出力回路の特性はそれぞれ大きく異なるため、この構成では不充分です。負荷の結果が異なると、音質の一貫性が損なわれ、満足のゆく再生音が得られなくなります。こうしたエラーを避けるべく、本機ではディスクリートのクラスAバッファー回路を使用し、高いレベルの出力を、これに続く負荷からアイソレートしています。これにより、負荷やソースの種類にかかわりなく、常に一定の音質と純度高い信号伝送を実現することができます。また、周波数のノンリニアリティ、歪み、音の圧縮や音の詰まりといった、通常のテープ・モニタリングにつきものだったエラーは、もはや過去のものとなります。

●内蔵の高精度電源回路により、本機は今日最高のプロ機をも上回るノイズ特性、歪率を実現しています。

●本機内部には信号伝送のための配線材をいっさい使用しておりません。したがってユニットによる性能のバラツキもありません。

●ハムやノイズその他非楽音信号から隔絶する驚異のSN比を達成。しかもそれを、内蔵電源によって実現。内蔵電源トランスはデュアルシールドされ、磁気的・電子的干渉は適切に排除されます。内蔵電源方式の大きな利点は、電源と増幅段の距離をより短くできる点にあります。したがって、電源を別ユニットに収納した場合に比べて、それぞれのインピーダンスもはるかに小さく抑えられます。

●通常の設計では、ハムや干渉、ノイズは、リレーやスイッチ、ポテンショメーターを通じてオーディオ信号径路に侵入しますが、FM266MkIでは特殊な回路とシールディング・テクニックによってこうした問題を回避しています。

●出力レベル、ならびにバランスのコントロールは、FM ACOUSTICS用として特別に設計されたもので、専用マシンによりハンド・セレクトされています。

●FM ACOUSTICSの連続可変プレシジョン出力レベル・コントロール、高い分解能を誇る“スプレッド ”バランス・コントロールは、独自のエンハンスト・クラスAバッファー回路により入念にアイソレートされています。通常はこうした設計になっていないため、さまざまな変動が発生、音量やバランスを変えた場合に特性が変わるなど、聴感上も顕著に影響してきます。

●スーパーワイド・バランス・コントロールは、ノブを±45°センターから回転させた場合、調整範囲が±1dBレベルとなるユニークなセンター定位システムを採用しています。この方法により0.02dBという驚異的な分解能が得られ、通常のバランス・コントロールに比べてはるかに正確な調整が可能になります。ノブをしぼりきると、当該チャンネルのレベルは完全に減衰されます。テストやチェックには最適の設計といえるでしょう。

●「FM266MkII」のシャーシー、サイドパネル、天板、底板、トランスマウントを構築するメカニカリー・ダンプド・シャーシー・デザイン、そしてユニークなレゾナンス・エリミネーター・サポートがセンシティブな内部の電子コンポーネントを不要振動から保護します。

●「FM266MkII」は、バランス、アンバランスいずれのソース機器、パワーアンプなどとの接続が可能で、接続に必要なRCAフォノ、あるいはXLRなどのコネクターによるケーブルは、プレシジョン・インターフェース・テクノロジー・ラインナップから選択できます。フィッシャー/カマック等、他の型式のコネクターについては、特別注文にて承ります。

●リレーにはスイス製高品位密閉型を使用。接点が周囲の環境に影響されず、特殊コーティングの施された4つの接点は完璧な動作を保証、数千万回のスイッチ切り換え動作に耐え、全体の性能や音質の劣化を来たしません。

●「FM266MkII」は、独自のコントロール/保護回路を使用しており、次のようなさまざまな機能を果たします。

●勿論、電源の遅延式スイッチ・オンを採用。スイッチ・オン時、出力に信号は流れず、本機は自己診断を行なって、各部が完全な状態になったら制御回路が出力を起動します。完全な動作状態になるまで、およそ10秒を要します。

●もう一つの保護回路は、電圧降下や過電圧から本機を保護するものです。「FM266MkII」は 140%もの過電圧に対して余裕をもって対応できる一方、動作不全やトランジェント不全、DCの不安定を招く過度の電圧降下から本機と接続機器を保護する独立センサーも備えています。

●「FM266MkII」は、常に最新であり続けるプリアンプリファイアー。完全モジュラー設計により、将来新たなブレークスルーがあった場合も、容易にこれを組み込むことができます。わずか20分ほどで必要なモジュールを交換するだけで、最新のテクノロジーと性能を反映したプリアンプリファイアーにすることができます。

●きわめて精度の高いアナログ再生を実現できるよう、FM ACOUSTICSレゾリューション・シリーズには FM222、ならびに FM122フォノ・リニアライザーが用意され FM266MkIIと併用することができます。また、「FM266MkII」には FM222へのファントム電源出力をも装備しています。

●「FM266MkII」は、6系統の純バランス入力、プレシジョン・バッファーによるバランス・テープ/AUXループ、真のバランス出力を装備。他に類を見ない次元の性能を実現するプリアンプリファイアーです。その技術、卓越した回路設計は、FM ACOUSTICSならではのものです。

 

■FM266MkIIの仕様

オーディオ製品を選ぶ際、スペック・シートを比較するだけでは意味がありません。仕様は誤って利用され、誤解され、その製品の実際の性能を示すというよりは、単に製品を売る目的だけに使われることが多いからです。仕様は「ティピカル」では、その真の価値を語ることはできません。以下のように最低保証仕様と入念に行なわれた試聴がなければ、他の製品との違いを明確化することはできませんし、正しい選択の指針にはならないのです。以下の保証性能仕様は、コントロール・センターたる本機の唯一絶対的な基準として、測定可能な性能諸元を提示するものです。しかし、言葉だけでは、「FM266MkII」と他のプリアンプリファイアーの決定的な差を表わすことはできません。最良の周辺機器を使用した入念な試聴だけが、そうした諸事実を明らかにすることができるのです。以下の各項目は工場出荷時に確認される最低保証仕様です。

 

[ Specifications ]

入出力完全バランス・ラインプリアンプ

● ゲイン/最大入力レベル/入力インピーダンス:20dB/9V/50-150kΩ
● 最大出力レベル/推奨負荷インピーダンス:19.5V/600Ω以上
● 入力(Line, Stereo):バランス(XLR)x6
● テープ入出力(Stereo):バランス(XLR)x1
● 出力(Stereo):バランス(XLR)x1
● 電源:100V AC, 50/60Hz
● 消費電力:30W
● 外形寸法:446W × 113H × 280D mm
● 重量:7.0kg

プレシジョン・プリアンプ

FM266MkII

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