FM245
プリアンプ
オーバーオールの帰還を排した独自の全段強化クラスA回路を、カーブ・トレーサーによる特性分析と試聴を経た半導体のみを使用したフル・ディスクリートで構成するFM ACOUSTICSのプリアンプリファイアー、レゾリューションシリーズ。「FM245」は、シリーズの中核をなす入出力完全バランスの「FM255 」と、入出力ともにアンバランスで最もシンプルな「FM155」のちょうど中間に位置するモデルです。アンバランス入力を4系統、テープ入出力を1系統、真の完全バランス出力を1系統装備し、優れたスルーレートとライズタイム特性をもつ高忠実度増幅を高い安定性で実現します。
■特長
● ステレオ4系統のアンバランス・ハイレベル入力を装備。+21dBvという極めて高い入力ヘッドルームと、全周波数帯域にわたって完全にリニアな入力インピーダンスを実現。
● 入力1・2は、内部ディップスイッチの設定でレベルを-6dBまたは、-10dBに減衰させることが可能です。さまざまなソース機器の入力レベルを最適にチューニングすることができます。
● バッファードの高精度アンバランス・テープモニター・ループを装備。
● そして、純シンメトリカル出力回路による真の完全バランス出力を備えています。出力をアンバランス接続とした場合でも、バランス接続と同一の出力インピーダンスと出力レベルを保ちます。また、その出力回路は、ケーブル1000mに相当するほどの高容量負荷をも含めた、あらゆる負荷をも完璧な再現能と安定性をもってドライブすることが可能です。
● 最大出力+28dBvという高いドライブ能力を備え、システム全体のSN比向上に貢献します。
● 出力は、完全にショートから保護されています。
● 「FM245」では、オーバーオール・フィードバック/フィードフォーワードをいっさい使用しておりません。本機はFM ACOUSTICSの開発したエンハンスド・クラスA回路を全面的に使用しており、完璧な安定性と純度高い信号処理を行うことができます。
● 特別設計のバイアス回路により、長時間のウォーミングアップも必要なく、きわめて迅速に動作温度に達する上に、ウォーミングアップ前後の歪み特性が変わってしまうようなこともありません。
● フロントパネルの位相反転スイッチにより、メイン出力の位相を正確に180°反転することができます。この動作は付加的な回路を使用することなく行われ、信号は180°位相反転段に入ることはありません。正相ならびに逆相信号径路は全く同一のものであり、各ソースが正しい位相で再生されます。
● 本機内部には、信号伝送のための配線材をいっさい使用しておりません。線材の引き回しの微妙な違いが引き起こす、性能のバラツキに無縁です。
● 内蔵のシールド強化された高効率トロイダルトランスと低インピーダンス高精度電源回路により、低ノイズ特性、低歪率を実現しています。
● シャーシーは機械的にダンピングされた設計で、デリケートな電子部品を誘導共振から効果的に保護します。シャーシのサイドパネル・カバー・底面・トランスの取付け等は、特殊サスペンションによって支持されています。
● 連続可変の出力レベル・コントロール、高い分解能を誇る“スプレッド”バランス・コントロールは、独自のエンハンスド・クラスAバッファー回路によりアイソレートされ、音量やバランスを変えた場合の特性変動を極小に抑えています。
● 独創的で多彩な機能のコントロール/保護回路を搭載。
・優れた遅延式スイッチ・オン機能を採用。スイッチ・オン時、出力に信号は流れず、本機は自己診断を行なって、各部が完全な状態になったら制御回路が出力を起動します。完全な動作状態になるまで、およそ10秒を要します。
・もう1つの保護回路は、電圧降下や過電圧から本機を保護するものです。「FM255」は140%もの過電圧に対して余裕をもって対応できる一方、動作不全やトランジェント不全、DCの不安定を招く過度の電圧降下から本機と接続機器を保護する独立センサーも備えています。
■主な仕様
回路 | 入力シングルエンデット、出力バランス。ハンド・セレクトによる超高速半導体を使用した、独自のディスクリート・エンハンスド・クラスA回路。回路は個々に分析、選定され、FM ACOUSTICSならではの試聴テストを経て厳選。ユニット全体は、FM ACOUSTICS製ハンド・キャリブレーションによるエンハンスド・クラスAモジュールにて構成。 |
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入力 | シングルエンデット・ステレオ4系統 |
テープループ | ステレオ入出力1系統 |
入力インピーダンス | 50 kΩ,全再生帯域に対してリニア。 |
入力ヘッドルーム | +21dBv(9VRMS) |
入力感度 | テープ出力100mV出力につき、100mV |
最大ゲイン | テープ出力にてあらゆる入力に対し 0dB メイン出力にてあらゆる入力に対し 20dB |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.03dB |
再生帯域幅 | RFフィルターなし:1Hz~2MHz 内蔵RFフィルター使用時:1Hz~100kHz ただし、プリアンプリファイアーの実際の周波数特性は、リニア・フェーズ・アンチRF回路により、100kHz以上を意図的に減衰。目的によってはバイパス可能。 |
位相精度 | RFフィルターなし:20Hz~20kHzの全帯域において-0°/+1° |
立上り時間 | 300ナノ秒=0.3μ秒 (エレクトロニクスの能力、RFフィルターなしの状態で測定) |
立ち下がり時間 | 300ナノ秒=0.3μ秒 (エレクトロニクスの能力、RFフィルターなしの状態で測定) |
ハムとノイズ | 0dBv以下=-95dBv以下 -120dBv以上(20Hz~20kHzフル出力) |
出力 | バランス・ステレオ1系統(3番ホット) |
最大出力レベル | +28dBV(19.5Vrms)対4.7kΩ負荷 |
推奨負荷インピーダンス | 600Ω以上 |
ステレオ・セパレーション | 85dB以上 |
チャンネル・セパレーション | 95dB以上 |
高調波歪率 | 全再生帯域において0.003%以上(3V出力にて) |
電源電圧 | 115V(95V-135v)50/60Hz |
消費電力 | 連続15W |
動作温度 | -20℃~+40℃ |
動作湿度: | 長期間:0~85% 短時間:0~95% 高湿度が長時間続くと本機のある種の部品の寿命が縮まる。 出荷時バーンインタイム:温度試験1,000サイクル(最低200時間) 出荷時振動テスト:振動テスト50,000サイクル(最低60分) |
フロントパネル | 4mmレーザー・カットしたアルミニウム9000を、ブラシがけの後ハンド・ポリッシュ。レタリングは酸化陽極処理されているため、摩耗なし。高精度出力レベルならびにバランス・コントロールはハンド・セレクト、防塵処理、dB目盛付。スイッチ類は高精度セルフ・クリーニング長寿命仕様。電源スイッチ、電源オン・インジケーター。 |
リアパネル | アルミニウム9000を、ブラシがけの後ハンド・ポリッシュ。レタリングは酸化陽極処理されているため、摩耗なし。入出力端子は高精度RCA、XLRコネクター。グランドループを避けるため、電気的グランドはシャーシからリフトされる。また、接続機器によってはスター・グランド方式も可能。 |
寸法 | 幅446mm、高さ62mm、奥行き280mm |
重量 | 本体6.0kg |
*仕様は改良のため予告なく変更することがあります。(2002.9)
[ Specifications ]
シングルエンド入力・バランス出力のラインプリアンプ
● ゲイン/最大入力レベル/入力インピーダンス:20dB/9V/50kΩ
● 最大出力レベル/推奨負荷インピーダンス:19.5V(対4.7kΩ負荷)/600Ω以上
● 入力(Line, stereo):シングルエンド(RCA)x4
● テープ入出力(Stereo):シングルエンド(RCA)x1
● 出力(Stereo):バランス(XLR)x1
● 消費電力:15W
● 外形寸法:446W × 62H × 280D mm
● 重量:6.0kg
(2002年10月release)