MOMENTUM STEREO AMPLIFIER
パワーアンプ
“Dan D’Agostino”ブランド 第2弾「MOMENTUM STEREO AMPLIFIER」
かつて世界を魅了したパワーアンプでクレルを興し30年の長きに亘ってハイエンドオーディオの最前線に携わってきたMr. Daniel D’Agostinoが、古巣を離れ自らの名を冠して立ち上げた気鋭のブランドDan D’Agostino(ダン・ダゴスティーノ)。その第2作目となる「MOMENTUM STEREO AMPLIFIER」は、記念すべき最初の作品「MOMENTUM MONOBLOCK」パワーアンプで確立した先鋭の回路技術と革新的な素材/構造技術を駆使した斬新なアンプデザインとコンストラクションを全面的に継承するステレオパワーアンプです。
左右に均等配置されたSEPP構成のパワーレールをパラレル結合する「MONOBLOCK」に対し、その結合を解き、 L/Rの独立チャンネルとした「MOMENTUM STEREO AMPLIFIER」。それは、アンプ設計一筋に30有余年の経験を重ね辿り着いたダニエル・ダゴスティーノの集大成と言える先鋭の回路技術と革新的な素材/構造技術を駆使した斬新なアンプデザインを「MONOBLOCK」から全面的に継承し、シンプリシティーをより高めたものともいえるでしょう。徹底吟味されたパーツとスルーホール基板による完全ディスクリート設計の拘り抜いた回路と、純銅ヒートシンクとアルミブロック削り出しによる重厚なコンストラクションをそのままに、一台一台コネチカットの工場で手造りされるそれは、チャンネル当り200W(8Ω)~800W(2Ω)という優れたパワーリニアリティーと迫真の再現力を獲得。「MOMENTUM」の、温度感漂う深い音の表情に、香り立つような空気感さえ醸し出す絶妙な表現力を湛えて、新登場です。
[ 革命的な冷却機構 ]
「MOMENTUM STEREO」の左右に位置するL/R各チャンネルのパワーレールに直結するヒートシンクには、一般的に多用されるアルミに替えて、パワーアンプの出力デバイスの放熱用としては「MOMENTUM MONOBLOCK」で初となった“銅”を同じく採用。アルミに比べて1.7倍もの熱伝導率を有する銅のヒートシンクが出力デバイスの熱を素早く吸収します。また、その冷却機構には、一般的に多く見かけるフィン形状に替えて「ベンチュリ」構造を採用。分厚い銅のヒートシンクブロックを縦に貫き整然と並ぶ放熱穴は上下の開口に対して中央を細く絞り込むことで、流体力学におけるベンチュリ効果を発生させ、下から上に吹き抜ける空気の流れを加速。極めて効率よく熱を放出し冷却します。銅の特製ヒートシンクが「MOMENTUM STEREO」の小型化に多大な貢献をしています。
[ 高エネルギー効率のアンプデザイン ]
ほとんどのハイエンド・オーディオアンプは、電源投入時に数百ワットの電力を消費します。音を出さないアイドリング状態ですら極めて多くの電力消費を伴います。「MOMENTUM STEREO」では、「MONOBLOCK」と同様に、ハイエンドオーディオ界におけるエネルギー効率の新しい標準となるべき省電力を実現。8Ω負荷に対する200ワットx2~ 2Ω負荷への800Wという強大なパワーを叩き出す「MOMENTUM STEREO」が、そのスタンバイ時にはわずか1Wにも満たない消費電力の高効率化を達成しています。
[ 高速トランジスター群と選び抜かれたディスクリートデバイス、回路 ]
「MOMENTUM STEREO」には増幅素子として現在最も高速で高出力とされるバイポーラ・パワートランジスターを、片チャンネル当り、パワーステージとドライバーステージに計16個を搭載。NPN/PNPの6パラレルでSEPP出力段を構築しています。これは、「MOMENTUM MONOBLOCK」ではパラレルとしていたパワーレールの片側分に相当します。「MOMENTUM MONOBLOCK」パワーアンプは、元来、それぞれをNPN/PNPのSEPP構成とした左右のパワーレールをパラレル結合しモノーラル仕様としたものですが、「「MOMENTUM STEREO AMPLIFIER」ではその結合を解き、L/Rチャンネルに独立させたステレオ仕様としています。その意味では、よりシンプリシティーを高めた構成とも言えるでしょう。
69 MHzの超スピードで動作するパワートランジスターは、「MOMENTUM STEREO」の動特性における圧倒的な俊敏性と超広帯域幅の達成に威力を発揮しています。また、それらのパワートランジスターは、フラットパッケージのものとしては極めて堅固なステンレススチール・ファスナーによって銅のヒートシンクにマウントされ、熱伝導性能を最大に発揮させています。 さらに、コンデンサ/抵抗素子には、超高周波数にも、低インピーダンスのスピーカー負荷にも極めて安定性が保たれる特製品を採用。特に音質に多大な影響を及ぼす出力回路のエミッター抵抗には、音質的に優れた高精度1%の巻線タイプを厳選使用しています。フロントエンドからアウトプットステージにいたるすべてのデバイスは完全ディスクリートパーツを登用し、スルーホールの堅固な両面基板にマウントされソルダーリングされるという一種古典的とも言える製造手法をとっています。
そして、もう一つの拘りが、全回路へのデジタル要素を一切排除していることです。保護回路を含むすべてのコントロール回路は少なからず音に悪影響を与えるデジタルクロックと信号の矩形波から解放され、アナログ増幅におけるピュアリティーを極限まで引き出すことに成功しています。
[ ビルド・クォリティーのベンチマーク ]
アメリカの小さな工場で手作業で組み立てられテストされる「MOMENTUM STEREO」のシャーシーは、板金加工ではなく無垢のアルミ・ビレッド材から機械加工されています。非共振性に優れ、RFI(高周波障害)やEMI(電磁干渉)からの驚異的なシールド性能をもたらします。
ディスクリート回路を搭載する基板材にはスルーホール構造を採用。表面実装方式に比べて耐熱能力に格段に優れ、抵抗、キャパシターなどへの高品質部品登用のフレキシビリティーにも秀でています。使用するすべての抵抗は高品位1%誤差のメタルフィルム・タイプ。アンプ回路は入力から出力まで全段DC結合とし、信号経路へのキャパシターは一切挿入されておりません。
滑らかに磨かれた銅のヒートシンクの暖かい輝き、ブレゲの時計デザインに通じる精緻なパワーメーター、表には一切のネジを露出させない巧妙なコンストラクション。Dan D’Agostinoが自身の最高傑作と自負する「MOMENTUM」シリーズにはハイエンド・オーディオアンプの真のステータスが刻み込まれています。
[ Specifications ]
● パワー:200Wx2@8Ω / 400Wx2@4Ω/ 800Wx2@2Ω
● 周波数応答:1Hz - 200 kHz, -1dB / 20Hz - 20kHz, ±0.1 dB
● 歪率(200W@8Ω):0.15% @1kHz
● S/N:105dB、unweighted
● ゲイン:25dB
● 入力端子:バランスXLR x2(L/R) (RCA-XLR変換アダプター2個付属)
● 出力端子:高品位バインディングポスト×2(L/R)
● 電源:100VAC 50 / 60Hz
● 消費電力:1W未満(スタンバイ時)、100W(アイドル時)、276W(1/3出力時)、780W(最大出力時)
● 最大外形寸法: 318W × 127H × 533D mm
● 重量: 38.5kg
● 外装フィニッシュ(シャーシー):シルバー or ブラック
※改良のため仕様は予告なく変更することがあります。(2012.05)