MOMENTUM HD PREAMPLIFIER
プリアンプ
ダン・ダゴスティーノ [ モメンタムHDプリアンプリファイアー ]
Dan D’Agostinoブランド衝撃のデビュー作となったモノーラル・パワーアンプ”MOMENTUM Monoblock(M300)”は、さらにその後”M400”へとアップグレードされ、そのポテンシャルを不動のものとしました。続く姉妹機、ステレオパワーアンプ”S200”も、その成果によって”S250”へと進化を果たしました。
MOMENTUMシリーズ・パワーアンプの対となるプリアンプ”MOMENTUM PREAMPLIFIER”は2013年に登場。
そのユニークなデザインと有機的コンストラクションは、一種芸術品とも呼べるほどの存在感を醸し出しています。
ここにご紹介するMOMENTUM “HD” PREAMPLIFIER は、初代MOMENTUM PREAMPLIFIERのそうした優れたデザイン・コンセプトを忠実に継承しながらも、内部回路には全面的に最新テクノロジーを投入。6年ぶりとなる大規模なアップグレードが成されています。その圧倒的S/N感と、俊敏で滲みのない広大なダイナミックスがもたらす奥深い表現力は、一音一音の息吹を鮮やかに甦らせます。
■MOMENTUM “HD” PREAMPLIFIER の新テクノロジー
MOMENTUM “HD” PREAMPLIFIERは初代MOMENTUM PREAMPLIFIERから、その内部回路のほとんど全てを刷新する大掛かりなアップグレードとなっています。
それはまず、L/Rが完全分離されセクションごとに分けられた6枚のオーディオ回路基板をはじめとし、ロジックコントロール回路、リモート送受信回路、そして電源ユニット内部の電源トランス、整流/レギュレーター回路にまで及んでいます。
以下、順に各々のフィーチャーをご案内いたします。
[ オーディオ回路 ]
●新フロントエンド/ボリュームコントロール
基本構成はこれまでと同様にコンプリメンタリー/バランス仕立て、ゼロ・フィードバック回路とし、オペアンプを使わず完全ディスクリートで組み上げていますが、フロントエンドを新しいコンプリメンタリー・ディスクリート方式による差動FET入力ステージとしています。その結果、入力インピーダンスは1MΩ以上に押し上げられます。
この超ハイインピーダンスは、入力経路の外部変数、つまり、
ソース機器の出力インピーダンスと接続ケーブルのインピーダンスやキャパシタンスなどの物理的ファクターがオーディオ信号に及ぼすマイナーな影響を回避させ、入力信号の純度を一切損なうことなく等身大に保つことが可能であることを意味します。
フロントエンドの品位向上に伴ない、続くステージとなる光コントローラーによるリレー制御によってラダー抵抗を切替える精緻な回路によるバランス構成のボリュームコントロール回路精度もさらに高められています。
●ファイナル出力ゲインステージ
MOMENTUM “HD” PREAMPLIFIERのファイナル出力ゲインステージ回路への駆動供給電圧は、これまでのMOMENTUM PREAMPLIFIERより36%もアップさせています。この駆動電圧の増強は、スルーレートとダイナミックレンジをさらに高めます。
アンプリフィケーションにおけるミクロレベルからマクロレベルにかけたコントラストとダイナミクスの劇的な向上を果たし、きめ細かいディテールと繊細な音楽の陰影の表情と圧倒的な押し出し感を、あくまでもナチュ
ラルに、そして、豊かな音楽性をもって、再現しつくすファイナルステージを構成します。
[ 電源回路 ]
出力ステージへの供給電圧アップに呼応して、セパレート電源ユニット内部も全面的に刷新されています。
電源トランスにはMOMENTUM”M400”で採用された独自の巻線技術が投入され、そのフィジカルなサイズをほとんど変えることなく、供給電力を従来の33%も強大化しています。整流回路と本体の
ローカル・レギュレーターもそれに伴ない強力化されています。
もちろん、電源供給ラインはオーディオ回路と制御回路を分離し、相互干渉を徹底排除していること、さらにAC電力線からのRFノイズのフィルタリング、非対称電力波形とDCの補償もこれまでと同様に行われています。
[ ロジックコントロール、リモート送受信回路 ]
付属のリモコンに搭載されているBluetoothテクノロジーも最新です。 従来の赤外線方式に比べBluetoothバックボーンは、5倍までリモコンの反応範囲を広げています。ロジックコントロール回路もそれに適応し新たにされています。
■優れたフィーチャーとコンストラクションの継承
MOMENTUM “HD” PREAMPLIFIERの優れたフィーチャーとコンストラクションはそのまま継承されています。
[ 重厚なシャーシー構造 ]
MOMENTUM HD PREAMPLIFIERは、MOMENTUMシリーズ・パワーアンプと同様に、分厚いアルミブロックを丹念に削り出した重厚なシャーシーに、アンプ設計者しての集大成とも言える拘り抜いた先進回路技術を投入し、一台一台アリゾナの自社工場で手造りされています。
[ 斬新なボリューム調整機構 ]
MOMENTUMパワーアンプと同様、スイスウォッチの”ブレゲ”を思わせる、ひときわ目を引く中央のメーターは、ボリュームレベルを表示します。メーター周囲のリングを回すことでボリューム調整しボリュームレベルをメーターの針で示すという斬新なスタイルが、極めてアナログライクで快適な操作フィーリングを生み出します。
そのボリューム調整機構には、光コントローラーによるリレー制御によってラダー抵抗を切替
える精緻な回路をバランス構成し、全ボリュームレベルに対してクリーンで高い透明度を確保。最大レベルから-33dBまでは0.5dBステップで、-34~-51dBまでは1dBステップ、以下-70dBまでを2dBステップでという、聴感的にスムーズな変化特性が快適な操作性をもたらします。
また、それとは別に、0.5dBステップで±10dB変えられるL/Rのバランス調整も、リモコンからの操作で可能としています。
[ 絶妙なトーンコントロール ]
音質重視のCR型トーンコントロールを装備。BASS、TREBLEにそれぞれ±6dBを1dBステップで調整できます。そのコントロールカーブにおけるターンオーバー周波数は、一般的な1kHzを中心としたものとは異なり、ローエンドとハイエンドに大幅にシフトさせています。中音域を変化させることなくトーナルバランスを絶妙にコントロールして、微妙なニュアンスの表情を整えることを可能としています。
[ 古典的手法と最先端回路 ]
オーディオサーキットは、すべてのパーツをスルーホール基板にマウントしハンダ付けするという、今や古典的とも言えるほどの、
しかし、最も音質に拘った生む手法によって組み上げられています。その回路は、オペアンプを一切使用しない完全ディスクリート・バランス構成を採用。ゲインステージ全段には、高速カレントミラーによるゼロ・フィードバックのピュアコンプリメンタリという極めて先進的な回路を導入し、優れた位相直線性と低ノイズ特性を実現しながら、MHzオーダーに及ぶ超広帯域特性とリニアな超低歪率化を達成しています。ディスクリート基板は、L/Rごとにフロントエンド、ボリューム、アウトプットの各セクションを独立させた計6枚のボードに分離した巧妙なコンストラクションによってデュアルモノに匹敵するセパレーション特性を獲得。そうしたすべての相乗効果によって、極めて音楽性豊かな高音質を実現しています。
[ セパレートパワーサプライ ]
400VAに迫るほどの膨大な電力供給能力を擁する電源部は、本体から完全に切り離されたアルミブロック削り出しの別筐体に収容。電源トランスはアンプセクション用とコントロール系統用のデュアル構成。さらにアンプ用の二次側はL/Rが完全分離されています。センシティブな本体との完璧なアイソレーションによって電磁的干渉を極限にまで追放しパワフルで安定した電源供給を果たします。しかも、このパワーサプライは本体の下に位置させた、あたかもアンプ台のようなデザインによって、安定した重心を与えるとともに、本体からのスパイクを受け、優れたインシュレーション効果も発揮します。
MOMENTUM HD PREAMPLIFIER、その、デリケートな音の温度感とリアリティー溢れる深い模写力、生気溢れる豊かな音楽再現力に加えて、空気感さえ醸し出す圧倒的な情報量は、MOMENTUMシリーズの真価をさらに高めることでしょう。
[ Specifications ]
●周波数応答: 0.1 Hz to 1 MHz, -1 dB / 20Hz to 20 kHz, ±0 dB
●歪率(@最大出力): <0.006%, 20 Hz to 20 kHz
●S/N: -105 dB, unweighted
●ゲイン: +10.95 or +26 dB, switchable
●入力インピーダンス: 1MΩ
●出力インピーダンス: 10Ω
●入力端子: バランスXLR x6系統
●出力端子: バランスXLR x2系統
●XLR極性: 2=Hot, 3=Cold, 1=Ground
●電源: 100VAC 50 / 60Hz
●消費電力: 25W (スタンバイ時1W未満)
●最大外形寸法: 432W x 200H x 450D
●重量: 32kg
●付属品: リモコン(単4乾電池3本内蔵)
●外装フィニッシュ: シルバー or ブラック
※改良のため仕様は予告なく変更することがあります。