革新のフォノイコライザー、Dan D’Agostino”「MOMENTUM PHONOSTAGE」

”Dan D’Agostino”は、かつて自身の作品でクレルを興し30年の長きに亘ってハイエンドオーディオの最前線に携わってきたDaniel D’Agostinoが、古巣を離れ自らの名を冠し2009年に立ち上げた気鋭のブランドとして、一連の”MOMENTUM”アンプを世に送り出し高い評価を得ています。
”MOMENTUM PHONOSTAGE”は、そうした特異なアンプ技術をレコード再生の分野にも拡張する”Dan D’Agostino”ブランド初のフォノイコライザーアンプです。
かつて、デジタルオーディオにとって代わられ停滞を余儀なくされたかに見えたアナログレコード再生のテクノロジーは、奇しくもハイエンドオーディオの成熟と素材などの進化によって、かつては考えられなかったほどの目覚ましい向上を果たし、そして、さらなる可能性を求めています。”MOMENTUM PHONOSTAGE”は、D’Agostinoが培ってきた優れたアンプ技術と、複雑なファンクションをボタン一つでコントロールすることができる巧妙な制御技術を融合させたユニークなコンストラクションによって、極めてユーザーフレンドリーな操作性を実現しながら、その高い能力によってレコード再生の新たな時代をさらに切り拓いてゆきます。

[ ファンクション ]

完全バランス対応のカートリッジ入力は、2系統のMCと2系統のMM、計4系統を装備。それぞれの入力に対して個別に、負荷インピーダンスとキャパシタンス、ゲインなどのプリセットが可能。そして特筆すべきは、5種類のEQカーブの切り替え機能です。RIAAと、その制定以前の各レコード会社が採用していた4つの特性に完全対応し、あらゆるLPレコードの最適イコライジングを実現します。

[ EQカーブセレクター ]

RIAAが制定される以前の1950年代のレコード制作にはレコード会社がそれぞれ独自に設定したイコライゼーション(EQ)特性が使用されカッティングされていました。MOMENTUM PHONOSTAGEは、そうした各社の録音特性を完璧に復元させるためのEQカーブが搭載されスイッチングすることが可能です。搭載EQカーブは、RIAA, FFRR, RCA Orthophonic, Columbia, DGGと多彩です。

[ 最先端アナログフォノアンプ技術と高度な古典的製造手法 ]

オペアンプを一切使用しない完全ディスクリート・バランス構成を採用する拘りのアナログオーディオサーキットは、すべてのパーツをスルーホール基板にマウントしハンダ付けするという、今や古典的とも言える、しかし極めて高度な手法によって組み立てられ、音楽性豊かな高音質の実現に大きく貢献しています。

[ デュアル・セパレートパワーサプライ ]

電源はパワートランス・ブロックとパワーレギュレーターベース・ブロックの2つの筐体に分離搭載しています。”MOMENTUM PREAMPLIFIER”と同一構造の本体下部のアルミブロック削り出しパワーレギュレーターベース・ブロックが直流定電圧化を図る直近のDCレギュレーター電源部。そこにケーブルを隔てて低電圧二次ACとDC整流を受け持つアルミボックスに収容されたパワートランス。両者は距離をとって設置でき、パワートランスのフラックスの影響を根底的に回避させ、センシティブな本体との完璧なアイソレーションによってパワフルで安定した電源供給を果たします。パワーレギュレーターベースは本体直下に位置しスパイクを受け止めるあたかもアンプ台のようなデザイン。本体と一体となることで安定した重心が得られると同時に、優れたインシュレーション効果が発揮されます。

[ 重厚なシャーシー構造 ]

”MOMENTUM PHONOSTAGE”は、一連MOMEMTUM アンプと同様に、分厚いアルミブロックを加工した重厚なシャーシーに、拘り抜いた先進回路技術を投入し、一台一台アリゾナ州ケーブ・クリークの工場で手造りされています。

MOMENTUM PHONOSTAGE。その、デリケートな音の温度感とリアリティー溢れる深い模写力、生気溢れる豊かな音楽再現力に加えて、空気感さえ醸し出す圧倒的な情報量は、「MOMENTUM」シリーズの価値をさらに高めることでしょう。