KX-R Twenty
リファレンス・プリアンプ
—– エアー20周年記念モデル —– “KX-R Twenty”リファレンス・プリアンプ 完全バランス4連ロータリースイッチをベルト/モーター駆動するエアー独自の極めて精巧なボリューム・メカニズムVGT(バリアブル・ゲイン・トランスインピーダンス)回路、そして、ゼロフィードバック、フル・バランスステージの伝統的回路コンセプトと新増幅回路”EquiLock”との融合によって極めて高いリニアリティーと桁外れのS/Nをもたらしたエアー・リファレンスシリーズ・プリアンプ”KX-R”。2008年のリリースから5年、エアー創立20周年を記念して、今新たに、その回路、部品、アッセンブリーの全面刷新が図られた渾身の新フラッグシップモデル”KX-R Twenty”の誕生です。 ”AyreLock”パワーサプライと称する強力な電源部、”EquiLock”ゲインステージにおけるカレントミラー回路のオプティマイズ、”新ダイヤモンド出力ステージ”という革新のアンプ構成、20倍にも及ぶコストを求められる膨大な数の超高品位抵抗群、シグナルパスルートのブラッシュアップ、ノイズレス・ディスプレー点灯回路、ステッピングモーター駆動の緻密化なと、その革新技術は極めて多岐に亙ります。これまでのKX-Rから、アルミブロック削り出しシャーシーとEI型電源トランスだけを残して、内部アッセンブリーを総交換するという、マイナーチェンジの域を遥かに超えた新モデルとして生まれ変わった”KX-R Twenty”。 プリアンプに絶大な価値をもたらすその究極の性能と音質は、まさにエアー20年の集大成を飾るステート・オブ・ジ・アートと言えるでしょう。 [ KX-R Twenty の最新テクノロジー・ピックアップ ] ●”AyreLock”パワーサプライ : 従来のシングルパワートランジスター出力方式によるレギュレーターに替えて、コンプリメンタリー・プッシュプル出力のパワーサプライ・レギュレーターを搭載。信号のダイナミックレンジによって変動する電流値に瞬時に反応し要求される電圧/電流を極めて高い安定性で的確に供給します。これまでのほぼ2倍の容量にのぼる電源能力が、音の鮮度とダイナミックな動特性を圧倒的に向上させます。 ●”EquiLock”ゲインステージのカレントミラー回路のオプティマイズによって立ち上がり特性をさらに改善。 ●”新ダイヤモンド出力ステージ” :”KX-R Twenty”の 出力段には従来のJFETコンプリメンタリー回路から脱却した新ダイヤモンド回路を搭載。ダイヤモンド回路はエミッタフォロアのNPN/PNPトランジスターを上下対称に配し極めて高い電流駆動能力を発揮させながら高S/Nと低歪率を実現する言わば古典的なものですが、エアーは、X-5シリーズの開発過程でそれをさらにブラッシュアップしたノンフィードバックの完全バランス構成による新ダイヤモンド回路に発展させました。”KX-R Twenty”には、カスタマイズしたこの新回路を出力ステージに搭載。駆動力と位相直線性の両立を極限にまで高め、より高いニュートラリティーとクリアネスを獲得しています。 ●超高品位抵抗群 : 信号経路の全ての抵抗に高精度高安定性において比類を見ないVishay foil SMTユニットの高音質抵抗を新たに採用。一般的な通常の高性能メタルフィルム抵抗と呼ばれるものに比してそのコストが20倍にも及ぶこのVishay抵抗の搭載は、VGTボリューム回路だけで240個、回路全体では実に400個にも上っています。 ●シグナルパスのブラッシュアップ : パターンレイアウトを一新した新基板が更なるショート・シグナルパスを実現。信号鮮度をより向上させています。 ●新ディスプレー点灯回路 : FL表示管の点灯回路にはマルチプレックス方式を廃しノイズレスのスタティック点灯回路を搭載。FL点灯のためのドライバー回路は実に30倍密を要する高度なもので、点灯回路からのオーディオシグナルに及ぼすノイズ干渉を完璧にシャットアウトしています。 ●さらに緻密な”フライバイワイヤー”コントロールシステム : ステッピングモーターの動きを1ステップ当たり32分の1に細分化してコントロールする”マイクロステッピング”テクノロジーを導入。よりスムーズな操作性とモーター動作音の軽減化を実現しています。 [ KX-RからKX-R Twentyへ: 継承される優れたフィーチャーとそのテクノロジー ] ■VGT(バリアブルゲイン・トランスコンダクタンス)ボリューム・サーキット 伝統的なプリアンプでは入力信号はボリュームコントロールに使用されるアッテネーターによって一旦入力レベルが減衰させられ、後段の固定ゲイン回路によって再び増幅されます。このプロセスでは、アッテネーターの設定値によって変動するインピーダンス特性による周波数特性の変化と、低レベル設定になるほど信号レベルがノイズフロアーに近づくためのS/N上の不利をもたらします。 VGTは、そうしたアッテネーターと固定ゲイン増幅によるボリュームコントロールから完全に脱却。”バリアブルゲイン”の名の示す通り、入力信号のレベルには一切手を付けず、アンプの増幅率をコントロールすることで出力レベルの設定を行ないます。インピーダンス変動というアッテネーターの欠点による周波数特性変化を伴なわず、通常最も使用頻度の高い-30~-40dBのレベル領域でもすば抜けたSN比を保ちます。 この、VGT回路には、固定抵抗を60ステップで切り替える銀接点のロータリースイッチがチャンネルごと、またホット側コールド側のそれぞれに合計4個搭載され、1dB単位で精確にゲイン設定を行ないます。 ■”フライバイワイヤー”コントロールシステム VGTボリューム・サーキットと入力切替の大型ロータリースイッチは、ベルトとステッピングモーターによって駆動。 往年の名機K-1を彷彿させるこのメカニズムは、操作ノブと直結するロータリーエンコーダーによる”フライバイワイヤー”コントロール方式によって作動。指先の動きに機敏に反応する新感覚の操作性を生み出しています。 ■エアー独自のEquiLockサーキット EquiLockサーキットは、カスコード/カレントミラー増幅回路を高度に発展させたエアー独自の電圧無変動ゲイン回路です。 フロントエンドを構成するすべてのゲイン回路にこのEquiLockサーキットが搭載され、電圧を極めて安定にホールドすることで、電圧変動が引き起こすゲイントランジスターのコンダクタンス、キャパシタンス特性変化による動特性の乱れを一切発生させることなく、極めて高いリニアリティーとワイドバンドウィズを超低歪率で達成しています。 ■オーバーオールはもちろん、ローカルにさえ一切使用しない、ゼロフィードバック・サーキット・デザイン。 ■フル・バランス、ディスクリート回路構成 ■ダイレクトパステクノロジーと超高速伝送・低損失サーキットボード 垂直配置し入出力端子と直結するサーキットボードにより、信号経路を極限にまで短縮化したK-1譲りAyre独自のダイレクトバステクノロジーによるコンストラクションと低損失基板素材と実装部品によって優れた伝送・増幅能力を獲得しています。 ■ソリッドアルミニウム・モノコックシャーシー MX-Rと同様にアルミ削りだしのモノコック・シャーシーを採用。75ポンドの宇宙航空グレードのアルミブロックを丹念に削り出し、各パートのコンパートメントを造り出すこのコンストラクションは、電気的シールド効果と熱安定性、防振性にずば抜けた効力を発揮。内部回路のパフォーマンスを最大限引き出します。 ■非選択入力のグランドを切り離すセレクタースイッチにより、高いソース間アイソレーション性能を実現。 ■8系統入力装備(バランスx4、シングルエンドx4) パススルーの設定も可能 ■2系統バランス・プリ出力、2系統バランス・テープ出力装備 ■独自のパワーフィルター「Ayre Conditioner」を搭載 電磁的なヒステリシスを起こさずフィルターリング効果が安定したパワーライン・RFIフィルター、Ayre Conditioner(特許申請中)を搭載。クリーンな電流を常に安定供給し、深く芳醇なサウンドをもたらします。 ■フルファンクション・リモートコントロール・オペレーション ■AyreLinkコミュニケーション・システム対応 MX-Rとの連携やステイタス表示などを可能にするRJ-11エアーリンク・ポートを装備。
[ Specifications ]
●入力インピーダンス: バランス2 MΩ(1 MΩ/phase) シングルエンド1MΩ
●出力インピーダンス: 300Ω (150Ω/phase)
●周波数特性:DC-250 kHz
●Gain:+6dB(最大、可変)
●入力端子(L/R):バランスx4, シングルエンドx4
●出力端子(L/R):プリアウトx2, テープx2
●消費電力:35W (スタンバイ/通常定常動作時)
65W (ボリューム操作時)
●外形寸法:438W x 292D x 95.3H
●重量:19kg
● リモートコントローラー付属
● 外装フィニッシュ:SILVER または BLACK(別注)
※改良のため仕様は予告なく変更することがあります。(2014.2)